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ひとり終活は何から始める?迷わない順番や費用、独身の備えを徹底解説

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ひとり終活

60歳をすぎて終活について真剣に考えるようになりました。 私は独身なので一人用に調べた事を皆さんにもお伝え出来るサイトを作りました。 トラブルや不安解消のために学びましょう。

ひとり終活何から始めるべきかと悩む方は多いですが、その背景には終活の「何からやればいいか分からない」という思いや、独身の方特有の将来への不安があるように感じます。

私自身もさまざまな情報を調べ、身の回りを整える中で、50代や60代といったまだ元気で体力があるうちに備えることの大切さを痛感しました。

まずは全体像を整理するための終活チェックリストを作成し、情報の集約場所となるエンディングノートを用意することが、具体的なスタート地点になります。

デジタル終活や葬儀費用の見積もり、そして自分自身が望む医療や介護に関する意思表示まで、やるべきことは確かに多岐にわたりますが、一つずつ適切な順番で進めれば決して難しいことではありません。

この記事では、私が実際に調べ、整理した、ひとりで迷わず進めるための手順を、実務的な視点を交えて詳しくまとめていきます。

記事のポイント

  • 後悔しないための具体的な着手順と優先順位
  • エンディングノートやチェックリストの活用術
  • デジタル遺品や葬儀費用のトラブル回避法
  • 身寄りがいない場合に頼れる法的な契約の仕組み

ひとり終活は何から始めるべきか順番と優先順位

ひとり終活は何から始めるべきか順番と優先順位

ひとり終活をスムーズに進めるためには、いきなり法的な手続きに飛びつくのではなく、まずは自分の現状を客観的に把握し、情報の整理から着手するのが理想的です。

ここでは、私が整理した「無理なく動けるための優先順位」を詳しく解説していきます。

迷わない優先順位

迷わない優先順位

優先順位

  • 可視化(洗い出し)
  • エンディングノート
  • 医療・介護
  • デジタル終活
  • 財産管理
  • 葬儀・お墓
  • 身元保証
  • 死後事務委任契約
  • 任意後見契約
  • 遺言書
  • 年一回更新

終活チェックリストでやることを可視化する準備

終活チェックリストでやることを可視化する準備

ひとり終活を始める際に、多くの人が最初に直面するのが「やることが多すぎて、何から手を付ければいいか見当もつかない」という混乱です。

一般社団法人終活協議会が2025年に行った最新の意識調査でも、終活を検討しながらも実行に移せていない理由の第1位は、依然として「何から始めればよいかわからない」というものでした。

特におひとりさまの場合、家族の意見を仰ぐ必要がない反面、すべての判断を自分一人で行わなければなりません。

この「手順の不透明さ」を解消する唯一の方法が、終活チェックリストの作成による情報の可視化です。

頭の中にある漠然とした不安を書き出し、「実行可能なタスク」に置き換えることで、心理的なハードルは劇的に下がります。

まずは、現状を客観的に把握することからスタートしましょう。

不安を「具体的な課題」に置き換える効果

人間は「得体の知れないもの」に対して強いストレスを感じる性質があります。

終活における不安の正体は、死そのものよりも「死に至るまでの手続き」や「死後の始末」の不透明さにあります。

リスト化によって一つひとつの項目を切り分けると、実は今すぐやらなくても良いことや、専門家に任せれば済むことが見えてきます。

この「仕分け作業」こそが、ひとり終活を成功させるための準備運動となります。

【ひとり終活:優先順位別チェックリスト】

優先度 項目 具体的なアクション 完了の目安
最優先 緊急連絡先・医療情報 持病、かかりつけ医、緊急時の連絡先を整理する 1時間
金銭・契約の棚卸し 銀行口座、保険、サブスク、負債の有無を確認 半日
デジタル資産の整理 スマホのパスコード共有方法、不要なSNSの削除 2時間
物理的な生前整理 1年以上使用していない家財道具の処分 数日〜数ヶ月
医療・介護の意思表示 人生会議(ACP)に基づき、延命治療等の希望を言語化 1時間

(出典:一般社団法人 終活協議会「2025年終活意識実態レポート」を基に作成)

カテゴリー分けで「今やるべきこと」を明確にする

リストを作成する際は、すべての項目を並列に扱うのではなく、「緊急性が高いもの(今日倒れても困ること)」と「時間をかけて取り組むもの(将来の希望)」に分けることが重要です。

おひとりさまにとって、入院時の身元保証や緊急連絡先の確保は、資産の整理よりも先に解決しておくべき課題です。

リストの順番通りに進めることで、不足している「社会的な繋がり」や「法的な契約」の必要性にも自然と気づくことができるでしょう。

まずは、このチェックリストをエンディングノートの冒頭に貼り付けることから始めてみてください。

エンディングノートの書き方と最低限の必須項目

エンディングノートの書き方と最低限の必須項目

チェックリストによって「何をやればいいか」の輪郭が見えたら、次に着手すべきは情報の集約場所となる情報の置き場を統一することです。

そこで活用するのがエンディングノートですが、ひとり終活におけるノートの役割は、一般的な「思い出を振り返る日記」とは大きく異なります。

家族や身近な親族がいない、あるいは頼らない前提の私たちにとって、このノートは自分に万が一のことがあった際に、第三者が迷わず動くための死後の手続きマニュアルとしての機能が最も重要になります。

最初からすべてのページを埋めようとすると、多くの方が途中で挫折してしまいます。

まずは「他人がこれを見れば、最低限の手続きが完結する」という視点で、優先度の高い項目からピンポイントで書き込んでいきましょう。

書くこと自体よりも、「いざという時に見つけてもらえる場所に置くこと」が、ひとり終活の成功を左右します。

【挫折しないための必須記載項目10選】

  • 基本情報:氏名、生年月日、本籍地、マイナンバーカードの保管場所
  • 緊急連絡先:友人、知人、勤務先など、最初に知らせてほしい人
  • 医療・介護:希望する延命治療の範囲、かかりつけ医、持病の情報
  • 財産・契約:銀行口座、証券口座、クレジットカード、各種ローン
  • 葬儀・供養:希望する形式、場所、埋葬方法(散骨や樹木葬など)
  • デジタル遺品:スマホ・PCのパスコード、主要なSNSのアカウント
  • 遺品整理:賃貸物件の解約、処分してほしい家財、形見分けの有無
  • ペット:自分が世話できなくなった際の預け先や飼育費用について
  • メッセージ:特定の相手に伝えたい感謝や最後の言葉
  • 保管場所:通帳、実印、権利証、遺言書などの重要書類の在りか

おひとりさまを救う「事務手続きの地図」としての活用法

おひとりさまの終活において、ノートに記載すべき情報の核となるのは、自分の身元と契約の紐解きです。

例えば、本籍地が分からないだけで、死後の行政手続きは大幅に停滞してしまいます。

また、健康保険証や年金手帳がどこにあるのかを明記しておくことも、残された事務を引き受ける人(行政担当者や死後事務委任の受任者など)への最大の配慮となります。

私が実践して特に重要だと感じたのは、「重要書類の保管場所を一つにまとめる」という項目です。

あちこちに重要書類が散らばっていると、探す側に多大な負担を強いることになります。

「この棚のこの箱を見ればすべて揃う」という状態をノートに記しておくだけで、事務手続きのスピードは劇的に向上します。

「紙の通帳がない資産」こそ最優先で記録する

現代の資産管理で最もリスクが高いのは、ネット銀行やネット証券、仮想通貨などのデジタル資産です。

これらは紙の通知が自宅に届かないため、本人がノートに書き残しておかない限り、永遠に誰にも気づかれない「迷子の資産」になる可能性が非常に高いのです。

支店名や口座番号だけでもメモに残しておけば、相続手続きや寄付への活用が可能になります。

市販の立派なエンディングノートを購入するのも良いですが、まずは大学ノートや自治体が配布している無料の冊子から始めても全く問題ありません。

正確な書き方や法的な注意点は、各自治体の相談窓口や公式サイトで公開されているガイドラインを参考にしましょう。

大切なのは、今日から一つでも、誰かが助かる情報を残し始めることです。

 

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医療や介護の意思を言語化する

医療や介護の意思を言語化する

ひとり終活を進める中で、不動産や預貯金の整理と同じくらい、あるいはそれ以上に重要だと私が感じたのが「自分の体」に関する意思表示です。

元気なうちは実感が湧きにくいものですが、もし急な病気や事故で意識を失ったとき、どのような医療を受けたいか、あるいは受けたくないかを判断するのは自分自身ではありません。

そこで今、社会的に推奨されているのが人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)という取り組みです。

これは、自分が大切にしている価値観や、将来望む医療・ケアの形について、あらかじめ考え、信頼できる知人や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有するプロセスを指します。

おひとりさまの場合、病室で医師の問いかけに対して「本人はこう望んでいました」と代弁してくれる家族がいないケースが多いため、この意思の言語化と共有こそが、自分らしい最期を守るための最大の防御策となります。

おひとりさまにとっての「代替意思決定」の壁

病院や介護の現場では、本人の意識がない場合、通常は家族が「代替意思決定者」として治療方針を選択します。

しかし、頼れる家族がいないひとり終活においては、この決定プロセスが停滞してしまうリスクがあります。

医師は医学的な最善を尽くしてくれますが、それが必ずしも「あなたが望む生や死の形」と一致するとは限りません。

「延命治療はしてほしくない」「できるだけ自宅で過ごしたい」「痛みだけは取り除いてほしい」といった具体的な希望を、あらかじめ人生会議を通じて明らかにしていれば、現場のスタッフはそれを根拠に動くことができます。

厚生労働省のガイドラインでも、自らが望む最期を迎えるための備えとして、元気なうちから人生会議を行うことが推奨されています。

(出典:厚生労働省「人生会議」普及啓発パンフレット)

具体的に何を考え、伝えておくべきか

人生会議は一度きりの儀式ではなく、体調や環境の変化に合わせて何度もアップデートしていくものです。

私が調べた中で、まずは以下の3点を軸に考えを整理しておくのがスムーズだと感じました。

  • 大切にしたいこと:「最後まで自分らしくあるために、これだけは譲れない」という価値観(例:食事は口から摂りたい、清潔を保ちたいなど)。
  • 望む医療処置:人工呼吸器の装着、胃ろう(人工的な栄養補給)、心肺蘇生などについて、どの程度まで希望するか。
  • 過ごしたい場所:最期の時を自宅で迎えたいのか、あるいは手厚いケアが受けられる施設や病院を希望するのか。

注意:医療の意思表示は、その時の状況や心境によって「一度決めても後から変えて良い」ものです。

むしろ、何度も話し合いを重ねて更新し続けること自体が人生会議の本質です。

また、これらを法的な効力を持つ書面にしたい場合や、判断能力が低下した後の金銭管理等まで含めて検討したい場合は、無理に自己判断せず、専門の相談窓口や行政書士等の専門家へ相談することをお勧めします。

デジタル終活とデジタル遺品の適切な整理方法

デジタル終活とデジタル遺品の適切な整理方法

現代において、私たちの生活はスマートフォンやパソコンなしでは成り立ちません。

ネット銀行、証券口座、SNS、そして膨大なクラウド上の写真データ。

これら「デジタル遺品」の整理は、今や物理的な遺品整理以上に重要視されるべき項目です。

一般社団法人終活協議会の調査によれば、デジタル終活の必要性を感じる人は86.6%と非常に高いのに対し、実際に着手している人はわずか34.6%に留まっています。

その大きな要因は、「何をすればよいかわからない」という戸惑いにあります。

特におひとりさまの場合、パスワードという「鍵」を自分しか持っていないため、対策を怠ると家族や知人があなたの資産や想いに一切触れられないリスクが生じます。

【デジタル資産・遺品の種類別リスト】

カテゴリー 具体的な内容 放置するリスク
金融資産 ネット銀行、ネット証券、暗号資産、各種Pay 遺産が誰にも気づかれず「迷子」になる
契約・サブスク 動画配信、音楽、電子書籍、有料アプリ 死後もクレジットカードから課金が続く
個人データ 写真、動画、連絡先、メール、ドキュメント 大切な思い出が永久に消失する
SNS・発信 LINE、X、Facebook、ブログ アカウントが乗取られたり、知人に訃報が届かない

「ログインの壁」を突破するための備え

デジタル遺品整理において最大の障壁は、デバイスの「画面ロック」です。

今のスマートフォンはセキュリティが非常に強固で、本人の死後であっても警察やメーカーが簡単にロックを解除してくれることはありません。

ロックが解除できなければ、ネット銀行の残高確認も、友人への連絡も不可能です。

対策として、「デバイスのロック解除コード」だけは必ず紙のエンディングノートに記載しておくことが鉄則です。

すべてのパスワードを記すのが不安な場合は、「スマホのロックさえ開けば、ブラウザの自動保存機能で他のサイトにもログインできる」という状態にしておくだけでも、後を託された人の負担は劇的に軽減されます。

プラットフォーマーの公式機能を活用する

近年、主要なIT企業は「持ち主が亡くなった後のデータ取り扱い」について公式な機能を提供しています。

これらは非常に強力なツールですが、本人が「生前」に設定しておくことが絶対条件となります。

代表的なものとして、Appleの「デジタル遺産プログラム」やGoogleの「アカウント無効化管理ツール」が挙げられます。

例えば、Appleの機能では「故人アカウント管理連絡先」を事前に指定しておくと、自分が亡くなった後にその相手がアクセスキーと死亡証明書を提出することで、iCloud上の写真やメッセージを取得できるようになります。

Googleの場合は、一定期間ログインがない場合に、あらかじめ指定した相手にデータを共有したり、アカウントを自動削除したりする設定が可能です。

おひとりさまだからこそ、こうしたIT企業の「頼れる仕組み」を味方につけておくことが、賢いデジタル終活の第一歩となります。

お金と契約の棚卸しやサブスクの管理ルート

お金と契約の棚卸しやサブスクの管理ルート

ひとり終活において、お金の管理は単に「いくら持っているか」を把握するだけでは不十分です。

私たちおひとりさまが特に意識すべきは、社会やサービスとの「契約の数」を最適化することにあります。

家族がいれば、郵便物や家庭内の様子から契約の存在に気づいてもらえる可能性がありますが、独身生活ではすべての契約が自分ひとりの完結した世界にあります。

もし整理を怠れば、死後も長期間にわたって月会費が引き落とされ続けたり、重要な資産の存在が誰にも知られずに放置されたりするリスクがあるのです。

特に近年、複雑化しているのがクレジットカード決済を中心としたデジタル契約です。

これらは通帳に印字されないことが多く、第三者が通帳を見ただけでは解約すべきサービスの存在を特定できません。

今のうちに「何と契約しているか」の管理ルートを明確にし、管理しきれないものを削ぎ落とす「契約の断捨離」が、自分自身の老後の負担を減らすことにも直結します。

サブスクリプションという「見えない支出」を断つ

動画配信サービスや音楽アプリ、クラウドストレージなどのサブスクリプション(定額制サービス)は、一つひとつは少額でも、積み重なると大きな支出になります。

何より恐ろしいのは、本人が亡くなった後も「クレジットカードが有効な限り、あるいは口座残高がある限り自動更新され続ける」という点です。

これを防ぐためには、過去12ヶ月分のクレジットカード明細をくまなくチェックし、利用頻度の低いサービスは即座に解約する習慣をつけましょう。

【お金と契約の棚卸し:実践チェック表】

カテゴリー 確認すべき項目 整理のアクション
金融口座 銀行、証券、FX、仮想通貨 利用していない休眠口座はすべて解約し、1〜2口座に集約する
固定固定費 携帯電話、インターネット、公共料金 支払元を一つのクレジットカードまたは口座に一本化する
定額サービス 動画・音楽配信、電子書籍、アプリ カード明細を1年分確認し、不要なものはその場で退会する
重要書類 保険証券、不動産権利証、年金手帳 保管場所をエンディングノートに記し、一箇所にまとめる

銀行口座と重要契約の「一本化」による管理負担の軽減

資産の棚卸しを進める際、私は銀行口座の集約を強く推奨します。

かつての「ペイオフ対策」で口座を分散させていた名残がある方もいるかもしれませんが、おひとりさまにとって口座の分散は、死後の相続手続きや事務作業を倍増させるデメリットの方が上回ります。

生活費、貯蓄、納税用など役割を整理し、可能な限りメインの1、2行にまとめることで、管理の目が行き届きやすくなります。

また、公共料金や固定資産税の支払い、火災保険の更新通知などが「どこから届き、どこから支払われているか」のルートをエンディングノートに一元化しておくことも重要です。

2025年以降、多くの行政・民間サービスがペーパーレス化を加速させているため、郵送物が届かない契約ほど意識的に記録に残す必要があります。

将来、もし自分の判断能力が衰えても、あるいは万が一のことがあっても、「ここを見ればお金のすべてがわかる」という一本の管理ルートを確立しておくことが、自分にとっても周りにとっても最大の安心材料となります。

正確な資産状況の把握や法的な整理については、必要に応じて税理士やファイナンシャルプランナー等の専門家へ相談することをお勧めします。

葬儀費用と見積の注意点や上振れ(違法請求)を防ぐ確認事項

葬儀費用と見積の注意点や上振れ(違法請求)を防ぐ確認事項

葬儀や供養は、私たちの日常生活とはかけ離れた非日常的な出来事であり、その金額設定が非常に不透明になりやすい分野です。

おひとりさまの終活において、「自分の葬儀で誰かに金銭的な迷惑をかけたくない」という思いは共通の願いですが、事前のリサーチ不足により、死後に想定外の高額請求が発生してしまうケースは後を絶ちません。

葬儀ポータルサイト「いい葬儀」の調査によると、葬儀の当初見積もりと最終的な支払額の間には平均で19.5万円もの差が生じているというデータがあります。

この「見積もりと現実のギャップ」こそが、葬儀トラブルの最大の原因となっています。

なぜこれほどまでに金額が跳ね上がるのでしょうか。

それは、多くの見積もりが「最低限の基本セット」のみを記載しており、搬送回数の増加や安置日数の延長、返礼品や飲食代といった変動費が含まれていないことが多いためです。

ひとり終活を進める私たちは、安さだけに目を奪われず、総額がいくらになるのかを冷徹に見極める目を持つ必要があります。

【葬儀費用の「上振れ」を防ぐためのチェックリスト】

チェック項目 確認すべき詳細内容 注意点
搬送・安置費用 走行距離による追加、安置室の利用日数 火葬場の混雑により数日待機になると加算されます
ドライアイス代 1日あたりの単価と、見積もりに含まれる日数 夏場や待機期間が長いと、1日1万円程度の追加が一般的です
式場・火葬場使用料 公営か民営か、式場利用の有無 民営の火葬場や式場は、公営に比べて数倍高くなることがあります
飲食・返礼品代 1人あたりの単価、最低保証人数の有無 参列者が増えた場合の追加注文の可否を確認しましょう
宗教者への謝礼 お布施、車代、御膳料の目安 葬儀社の見積もりには通常含まれず、別途現金が必要です

(出典:鎌倉新書「いい葬儀」第6回お葬式に関する全国調査より)

「基本プラン」の罠を見抜き、トータルコストを把握する

葬儀社の広告でよく見る「19.8万円〜」といった格安プランは、あくまで「祭壇や棺」などの本体価格であることがほとんどです。

実際にはこれに、火葬料金、遺体の搬送料金、安置料金、そして寺院へのお布施などが加算されます。

おひとりさまの場合、参列者が少ない「直葬(火葬式)」を選択することで費用を抑えることが可能ですが、その場合でも「安置場所をどこにするか」によって、10万円単位で費用が変わることを覚えておいてください。

病院で亡くなった場合、すぐに遺体を搬送しなければなりませんが、自宅に連れて帰れない場合は葬儀社の安置施設を利用することになります。

この施設利用料やドライアイス代は「1日ごと」に加算されるため、火葬場の空き状況次第で、知らないうちに請求額が膨らんでいくのです。

見積もりを見る際は、「火葬まで3日かかった場合の総額」を提示してもらうようにしましょう。

相見積もりと「説明の透明性」で業者を選定する

葬儀費用のトラブル(不当な追加請求など)を回避するための最も有効な手段は、複数の業者から事前に見積もりを取る「相見積もり」です。

ひとりの場合、いざという時に業者が決まっていないと、病院から紹介された業者に流されるまま契約してしまいがちです。

元気なうちに3社程度から資料を取り寄せ、以下の点を確認してください。

  • 項目ごとに「単価」と「数量」が明記されているか(「一式」という表記が多用されていないか)。
  • 追加料金が発生する条件を、口頭だけでなく書面でも説明してくれるか。
  • 担当者の対応が誠実であり、こちらの希望(簡素にしたい、など)を尊重してくれるか。

葬儀費用の詳細は、お住まいの地域や宗派、選ぶ業者によって驚くほど異なります。

正確な条件を知るためには、必ず各社の公式サイトを確認し、可能であれば事前相談に足を運ぶことを強くお勧めします。

最終的な判断は、予算だけでなく、その業者が「自分の最期を安心して託せる相手か」という信頼感に基づいて決定してください。

不明な点があれば、消費者センターや葬儀の専門家へ相談することも検討しましょう。

身元保証と保証人の確保や自治体の支援制度

身元保証と保証人の確保や自治体の支援制度

ひとり終活を進める中で、多くの人が直面する現実的かつ最大の壁が、入院や介護施設への入所時に求められる「身元保証人」の存在です。

これは単なる緊急連絡先の確保にとどまりません。

費用の支払い保証はもちろん、病状の説明への立ち会い、退院時の引き取り、そして万が一亡くなった際の遺体の引き取りや遺品整理まで、家族が担ってきた役割を丸ごと引き受ける責任を伴います。

頼れる家族がいない私たち独身者にとって、この「誰に保証人になってもらうか」という問題は、老後の安心を左右する最優先課題といっても過言ではありません。

民間身元保証サービスのメリットと潜むリスク

家族に代わって保証人役を引き受けてくれるのが、民間の身元保証会社です。

2025年現在、多くの事業者が参入しており、入院時の駆けつけから死後の事務手続きまでをパッケージ化して提供しています。

非常に心強い味方である一方、注意しなければならない点もあります。

民間のサービスは、契約時に支払う「入会金」や「月額費用」に加え、将来の葬儀代等として預ける「預託金」が必要になることが一般的です。

過去には、事業者の倒産によって預託金が戻らなくなったり、不透明な寄付を強要されたりといったトラブルも報告されています。

契約を検討する際は、預託金が信託銀行などで分別管理されているか、中途解約時の返金ルールが明確かを、必ず書面で細かく確認してください。

信頼できる業者選びには、消費者庁の注意喚起資料などに目を通しておくことも大切です。

【身元保証・支援の選択肢比較表】

種類 主な支援内容 メリット 注意点・コスト
民間身元保証会社 保証人、緊急駆けつけ、死後事務 サービスが手厚く広範囲 費用が高額、倒産リスクがある
自治体の支援事業 死後事務、葬送支援、見守り 信頼性が高く費用が抑えめ 所得制限や対象地域が限定的
社会福祉協議会 金銭管理、見守り、葬儀相談 営利目的でなく相談しやすい 保証人そのものを引き受けるのは稀
専門家(司法書士等) 死後事務委任、任意後見契約 法的な確実性が非常に高い 身元保証(駆けつけ等)は別途調整が必要

自治体が提供する安心な「終活支援モデル」の活用

民間サービスのトラブル増加を受け、近年は自治体が主導する公的な終活支援事業が急速に広がっています。

例えば、東京都文京区や神奈川県川崎市、福岡市などでは、身寄りのない高齢者向けに葬儀や納骨の生前契約を支援するモデルを展開しています。

さらに、京都市では2025年4月から、従来の低所得者層だけでなく「持ち家などの資産はあるが頼る人がいない層」へも対象を拡大するなど、おひとりさま支援の枠組みを強化しています。

自治体が窓口となるメリットは、何よりも営利を目的としない透明性と安心感です。

民間よりも安価な手数料で、死後の事務や安否確認を行ってくれるケースが多いのも魅力です。

まずは自分の住んでいる地域の「地域包括支援センター」や「社会福祉協議会」に足を運び、「家族がいなくても利用できる身元保証や終活支援の制度はあるか」と尋ねてみてください。

こうした公的リソースを賢く活用することが、ひとり終活の不安を解消する近道となります。

ただし、自治体の事業は地域によって内容が大きく異なります。

具体的な利用条件や費用、契約の範囲については、必ずお住まいの市区町村の公式サイトを確認するか、直接窓口へ相談してください。
>最終的な判断は、民間の専門家(行政書士や弁護士など)の意見も聞きながら、自分自身の生活環境に最も適した形を選択することが、自分らしい老後を守る鍵となります。

終活サポート自治体一覧

終活サポート自治体一覧
2026年1月現在の情報です。最新の情報は各自治体に確認して下さい。

「終活情報の登録・伝達(終活登録)」型の制度を実施している自治体一覧

都道府県 自治体 制度・事業名(呼称例) 概要(要約)
北海道 石狩市 おひとり暮らし等安心登録サービス事業 見守り・緊急時対応等を含む登録型支援。
青森県 青森市 終活情報登録 終活関連情報を登録し、必要時に伝達。
東京都 大田区 老いじたく情報登録事業 「老いじたく」情報の登録・照会対応。
東京都 豊島区 終活情報登録事業 登録情報を、警察・消防・医療機関等の照会に基づき開示・伝達。
神奈川県 横須賀市 わたしの終活登録 終活情報を事前登録し、照会に応じて提供。
神奈川県 鎌倉市 終活情報登録 終活情報の登録・照会対応(関連事業の案内も併記される場合あり)。
神奈川県 逗子市 終活情報登録 終活情報の登録・照会対応。
岐阜県 岐阜市 わたしのあんしん終活登録事業 終活関連情報の登録・開示の仕組み。
愛知県 田原市 終活情報登録事業 終活情報登録と、登録カード交付等。
三重県 四日市市 高齢者終活情報登録事業 高齢者向け終活情報の登録制度。
兵庫県 姫路市 終活情報登録事業 終活情報の登録・伝達。
山口県 周南市 終活情報登録制度 終活情報の登録・照会に応じた開示。
香川県 坂出市 わたしの終活情報登録事業 終活情報の登録・登録証交付等。
愛媛県 今治市 終活情報登録 終活情報登録の制度運用。
愛知県 大府市 終活登録制度「わたしのさくら登録」 ノート配布+登録制度+関連事業者案内を総称化して運用。
兵庫県 神戸市 終活情報登録制度 相談窓口+終活情報登録(照会対応)を実施。
三重県 桑名市 桑名市終活登録事業 終活情報の登録、登録カード交付等。
静岡県 静岡市 終活情報の登録・伝達 終活情報登録・伝達の制度運用。
長野県 松本市 終活情報登録事業 終活関連情報を登録し、指定先へ開示する枠組み。
福島県 白河市 わたしの終活登録事業 登録申請・関連様式の公開等を含む登録制度。
大阪府 藤井寺市 終活情報登録事業 終活情報を登録し、照会に応じて伝達。
広島県 東広島市 終活情報登録事業 身寄りのない高齢者等の不安軽減を目的に登録・提供。
神奈川県 大和市 終活登録事業「ツナグ」 終活相談+登録(照会対応)等を包括して運用。

相談窓口・民間連携・事業者登録/認証など「包括サポート」型の自治体

都道府県 自治体(実施主体) 事業・制度 概要(要約)
千葉県 千葉市 エンディングサポート(終活支援)事業 民間協働・総合相談支援・人生会議(ACP)等の普及啓発を含む包括支援。
神奈川県 大和市 終活支援(終活相談など) 終活コンシェルジュ等の相談支援に加え、登録制度・条例等も含めて展開。
神奈川県 鎌倉市 エンディングプランサポート事業(同ページ内) 医療・葬儀・納骨等の課題整理を含む支援(自治体スキームとして案内)。
東京都 豊島区 終活あんしんセンター 終活の総合相談に加え、終活情報登録事業も併設。
愛知県 岡崎市 終活応援事業 市として終活支援(相談・情報提供等)を事業として案内。
愛知県 春日井市 終活サポート事業(登録事業者制度) 市が登録した事業者情報の提供等(民間活用を制度化)。
静岡県 静岡市 終活支援優良事業者認証事業 終活支援に関する事業者の認証制度(品質担保・選択支援)。
福岡県 北九州市(市社協) 終活あんしんセンター/事業者登録制度 終活相談に加え、「終活あんしんサポート事業者登録制度」を運用。
神奈川県 相模原市(市社協) みまもりエンディングサポート事業 見守りとエンディング支援を組み合わせた社協事業。
愛知県 大府市 さくらMIRAIサポート(総称) ノート配布+登録制度+事業者紹介等を組み合わせた包括展開。

実務に繋がるひとり終活、契約、仕組み具体策

実務に繋がるひとり終活、契約、仕組み具体策

情報の整理が進んだら、次はそれらを「仕組み」として確立する実務段階です。

ひとりで最後まで安心して暮らすための、法的な後ろ盾について見ていきましょう。

死後事務委任契約で亡くなった後の手続きを託す

死後事務委任契約で亡くなった後の手続きを託す

ひとり終活を進める中で、私が最も「これは絶対に抜かしてはいけない」と痛感したのが、この死後事務委任契約です。

多くの方は「遺言書さえ書いておけば安心」と思いがちですが、実は遺言書だけでは解決できない問題が山積みです。

遺言書は主に「誰にどの財産を分けるか」というお金や物の行き先を決めるもの。

一方で、亡くなった直後に必要となる「遺体の引き取り」や「葬儀の段取り」、「賃貸物件の片付けと解約」といった具体的な「実務」を誰がやるかは、この死後事務委任契約で決めておく必要があります。

特におひとりさまの場合、役所への死亡届の提出や火葬の立ち会いを誰が担うのか、あらかじめ法的な権限を与えておかないと、周囲や行政に多大な負担をかけてしまうことになります。

この契約を結ぶことで、最期の始末を自分の望む形で行ってくれるパートナーを確保できるのです。

遺言書との決定的な違いと契約が必要な理由

遺言書には「葬儀は簡素にしてほしい」といった付言事項を書くことができますが、これには法的な強制力がありません。

もしあなたが賃貸住まいで、預貯金を特定の団体に寄付する遺言を残していたとしても、部屋に残された家財道具を誰が処分し、いつまでに大家さんに部屋を返すのかという実行部隊がいなければ、手続きは滞ってしまいます。

死後事務委任契約は、いわば「死後の実務を遂行するための委任状」です。

これがあることで、受任者(手続きを引き受ける人)は、あなたの代わりに銀行の未払い分を精算したり、SNSのアカウントを削除したりといった細かな事務作業を堂々と進めることが可能になります。

【死後事務委任契約で委託できる主な実務一覧】

カテゴリー 具体的な委任内容 おひとりさまのメリット
行政手続き 死亡届、健康保険・年金の資格喪失届け、マイナンバー返納 親族に代わって行政上の手続きを完結できる
葬送支援 遺体の引き取り、通夜・葬儀、火葬、納骨の手配 自分の望む形式や場所で供養を確実に実行できる
住まいの整理 遺品整理、家財道具の処分、公共料金・賃貸契約の解除 空き家問題や孤独死後の片付けトラブルを防げる
デジタル・清算 SNS等の退会、サブスク解約、未払い医療費の支払い 見えない契約やデータの放置を解消できる

信頼性を高める「預託金」と「公正証書」の運用

この契約を確実に履行してもらうためには、事務にかかる実費や専門家への報酬をあらかじめ預けておく預託金(よたくきん)という仕組みを併用することが一般的です。

2026年現在、おひとりさま向けのサポートサービスは増加していますが、預けたお金が正しく管理されているか、事業者が倒産した際にどうなるのかを事前に確認しておくことは極めて重要です。

また、この契約は口約束や私的な書面ではなく、必ず公正証書で作成するようにしましょう。

公証人が関与する公正証書であれば、本人の意思が本物であることの証明になり、役所や銀行、病院などの窓口で受任者がスムーズに手続きを進めることができます。

公正証書の作成には数万円の手数料がかかりますが、その安心感は代えがたいものです。

契約の詳細は、受任者との話し合いによって自由に設計できます。

正確な費用や契約の範囲は、個々の状況によって大きく変わるため、必ず司法書士や行政書士といった法律の専門家に相談し、最新の公的情報を確認してください。

最後の一歩を誰に託すか、納得のいくまで検討を重ねることが、ひとり終活を完結させるための大切な鍵となります。

任意後見契約と財産管理委任で老後の生活を守る

任意後見契約と財産管理委任で老後の生活を守る

ひとり終活において、死後のことと同じくらい真剣に向き合うべきなのが「生きている間のリスク」です。

特におひとりさまにとって、認知症などで判断能力が低下した際に、誰が自分の代わりに介護施設の手続きをし、誰が日々の支払いや資産の管理を行うのかという問題は非常に切実です。

これを解決するのが任意後見契約財産管理等委任契約という二つの仕組みです。

これらをセットで活用することで、私たちが元気に過ごしている今から、最期を迎えるその時まで、法的な空白期間を作ることなく自分自身の尊厳を守り続けることが可能になります。

家族がいれば「いざとなれば親族が何とかしてくれるだろう」と期待できるかもしれませんが、ひとりの場合はそうはいきません。

銀行の窓口や病院の受付で、本人の意思確認ができない状況になれば、手続きはたちまち滞ってしまいます。

だからこそ、元気なうちに「将来のパートナー」を自分で指名し、契約という形で権利を渡しておくことが、おひとりさまの終活における最大の防衛策となるのです。

判断能力の低下に備える「任意後見契約」

任意後見契約とは、将来自分の判断能力が衰えた場合に備えて、あらかじめ自分が信頼できる人(任意後見受任者)を後見人として選んでおき、どのような支援を受けたいかを公正証書で契約しておく制度です。

一般的な「法定後見」は判断能力が失われた後に裁判所が後見人を選びますが、任意後見は「誰に頼むか」を自分で決められる点が最大の特徴です。

この契約は、本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任した時点からスタートします。

これにより、後見人はあなたの代わりに介護サービスの契約を結んだり、不動産の管理を行ったりする正当な権限を持つことになります。

おひとりさまにとって、自分の価値観を理解している人に将来を託せることは、計り知れない安心感に繋がります。

【老後を支える二つの契約の役割分担】

契約の種類 開始のタイミング 主な目的 サポート内容
財産管理等委任契約 契約締結後すぐ(即効) 身体的な不自由への対応 銀行での振込、役所の手続き代行、郵便物の管理など
任意後見契約 判断能力が低下した後 認知能力の低下への対応 施設入所契約、資産の運用管理、療養看護の指示など

身体の不自由を補う「財産管理等委任契約」

任意後見契約の弱点は、あくまで「判断能力が低下した後」にしか機能しない点です。

しかし、実際には「頭はしっかりしているけれど、足腰が弱って銀行へ行けない」「入院してしまい自宅の公共料金の支払いができない」といった、身体的な理由による困りごとはもっと早い段階で発生します。

これをカバーするのが財産管理等委任契約(通称:生前事務委任)です。

この契約は、締結した直後から効力を発生させることができるため、任意後見が始まるまでの「空白の期間」を埋めることができます。

私は、この二つを組み合わせる「移行型」と呼ばれる契約形態こそが、おひとりさまにとって最も理想的な形だと考えています。

これにより、体力が衰え始めた段階から認知症発症後まで、一貫したサポート体制を途切れることなく構築できるからです。

これらの契約は、極めて重要な法的権利を第三者に委ねるものであるため、必ず「公正証書」で作成し、法律のプロによる監督を受ける体制を整える必要があります。

2026年現在、制度の利用を検討する方が増えていますが、具体的な書式や手続きの詳細は、法務省のホームページ等で基本を確認した上で、必ず司法書士や行政書士などの法律専門家に相談してください。

最終的な判断は、複数の専門家からアドバイスを受け、自分の資産状況や生活スタイルに最適な形を選択することが大切です。

遺言書の種類と公正証書で財産の行き先を決める

遺言書の種類と公正証書で財産の行き先を決める

ひとり終活において、自分が一生をかけて築いてきた資産を「誰に、あるいはどこに託すか」を明確にすることは、人生の締めくくりにおける最も重要な決断の一つです。

多くの方は「自分には大した財産はないから遺言書なんて必要ない」と考えがちですが、実はおひとりさまこそ、遺言書の有無が死後の状況を決定的に左右します。

もしあなたに配偶者や子供、親、兄弟姉妹といった法定相続人が一人もいない場合、遺言書を残さなければ、あなたの遺産は最終的にすべて国庫に帰属する(国の所有物になる)ことになります。

自分が大切にしてきたお金や住まいを、お世話になった友人や活動を支援したい団体に届けたいのであれば、遺言書は単なる準備ではなく、避けて通れない必須条件なのです。

遺言書にはいくつか種類がありますが、私が調べた中で、ひとり終活に最も適していると確信したのは公正証書遺言です。

自分一人で書く「自筆証書遺言」は手軽な反面、形式の不備で無効になったり、死後に発見されなかったりするリスクが常に付きまといます。

一方で、公正証書遺言は法律のプロである公証人が作成に関与するため、法的確実性が極めて高く、私たちの意思を確実に実行するための「最強の保険」となってくれます。

なぜ「公正証書遺言」がおひとりさまの最適解なのか

おひとりさまの遺言において最大の懸念点は、死後にその遺言が「確実に、かつスムーズに執行されるか」という点です。

自筆証書遺言の場合、死後に裁判所で「検認」という手続きが必要になります。

これには相続人全員の特定や連絡が必要になるなど、非常に手間と時間がかかります。

しかし、公正証書遺言であればこの検認手続きが不要であり、死後すぐに遺言の内容を実現するための事務に着手できます。

また、原本が公証役場に厳重に保管されるため、紛失や改ざんの心配が一切ありません。

2026年現在、身寄りのない方の遺産をめぐるトラブルや手続きの長期化が社会課題となっていますが、公正証書遺言を作成しておくことは、死後の事務を引き受けてくれる受任者や、財産を譲り受ける相手への最大の配慮となります。

手数料は資産額に応じて数万円から発生しますが、後のトラブルを防ぐコストとしては決して高くはありません。

【遺言書の種類と特徴の比較】

項目 自筆証書遺言 公正証書遺言
作成方法 本人が全文・日付・氏名を自筆して押印 公証人が遺言者の口述を元に作成
法的確実性 不備で無効になるリスクがある 公証人が作成するため極めて高い
検認手続き 必要(家庭裁判所での手続き) 不要(すぐに執行が可能)
紛失・改ざん 自宅保管の場合、リスクが高い 公証役場に原本が保管されるため安全
費用 無料(法務局保管制度利用は数千円) 数万円〜(資産額による公証人手数料)

「遺贈寄付」で社会に想いを還元する選択肢

最近の傾向として、特定の相続人がいないおひとりさまの間で、自治体やNPO団体、母校などに財産を寄付する遺贈(いぞう)寄付という選択肢を選ぶ人が増えています。

私も調べてみて驚いたのですが、遺言書さえあれば、現金だけでなく不動産なども含め、自分が共感する活動へ自分の生きた証を託すことができるのです。

ただし、寄付を検討する場合は「寄付先がその財産を受け入れられるか(特に不動産や有価証券など)」を事前に確認しておくことが不可欠です。

遺言書に「寄付する」と書いてあっても、相手側が受け取れない状況であれば、結局は国庫に帰属してしまいます。

遺言書を作成する段階で寄付先へ相談し、必要であれば「遺言執行者」を指定しておくことが、あなたの善意を確実に形にするための確実なルートとなります。

遺言書の作成は、自分のこれまでの人生と向き合い、これからの未来に何を繋ぐかを決める前向きな作業です。

具体的な文案作成や手続きの流れについては、日本公証人連合会の公式サイトなどで最新の情報を確認することをお勧めします。

また、個別の資産状況に合わせた節税対策や法的な整合性については、必要に応じて弁護士や司法書士などの専門家へ相談し、悔いのない内容に仕上げてください。

50代や60代の独身者が備えるべきリスクと対策

50代や60代の独身者が備えるべきリスクと対策

50代や60代という世代は、ひとり終活を本格的に検討し、実行に移すための「黄金期」だと私は考えています。

この時期はまだ心身ともに活力があり、複雑な契約内容を理解する判断力や、大量の荷物を整理する体力が備わっているからです。

70代、80代と年齢を重ねてからでは、重い家具の処分や法的な手続きの検討は想像以上の負担になります。

今のうちに土台を作っておくことで、将来の不安を「安心感」と「現在の生活の質」に変えることができるのです。

特におひとりさまが直面する大きなリスクは、人生が想定よりも長くなる「長生きリスク」と、社会的な繋がりが薄れていく「孤立リスク」の二点に集約されます。

これらは決して悲観すべきことではなく、適切な対策を講じることで回避可能な課題です。

ハルメク生きかた上手研究所が2025年に行った調査でも、50代以上で終活を意識し、具体的に動いている人ほど、現在の生活満足度が高いという非常に興味深いデータが出ています。

備えを万全にすることが、結果として「今」をより自由に、楽しく生きるための鍵になるのです。

【50代・60代からのリスク対策マトリックス】

リスク項目 具体的な課題 今すぐ始めるべき対策
住まいのリスク 管理負担の増大、バリアフリー不足 不用品の処分、住まいのダウンサイジング検討
資金のリスク 老後資金の枯渇、キャッシュフロー悪化 資産の流動化(現金化)、介護費用の別枠確保
繋がりのリスク 定年後の社会的孤立、緊急連絡先の不在 地域コミュニティへの参加、相談窓口の把握
判断力のリスク 認知症等による資産凍結、契約不能 任意後見や財産管理委任の予備知識習得

(出典:内閣府「令和7年版高齢社会白書」の内容を参考に筆者作成)

住まいのダウンサイジングと「生きるため」の資金計画

まず着手したいのが、住環境の整理です。

現役時代に必要だった広い住まいは、高齢期の独身生活においては掃除や維持管理の負担が重くのしかかる「お荷物」になりかねません。

将来、介護が必要になった際を想定し、バリアフリー化の検討や、より生活利便性の高いコンパクトな住まいへの住み替えを検討する「住まいのダウンサイジング」は、早ければ早いほど選択肢が広がります。

また、資金面では「いくら遺すか」よりも「自分自身が最後まで快適に過ごすためにいくら使うか」へと意識をシフトさせましょう。

葬儀費用を気にするあまり、現在の生活や必要な介護サービスを我慢するのは本末転倒です。

自宅を売却して現金化するリースバックの検討や、資産を整理してキャッシュフローを安定させることで、長生きに対する不安を解消し、自分自身への投資に回す勇気を持つことが大切です。

地域社会との「緩やかな繋がり」というセーフティーネット

おひとりさまの終活で、法的な契約と同じくらい強力な支えとなるのが「ソフト面の繋がり」です。

会社という組織を離れた後、地域社会の中に挨拶ができる知人がいるか、あるいは自治体の相談窓口を把握しているかどうかが、いざという時の決定的な差になります。

これは決して深い付き合いを強いるものではなく、顔を合わせた時に「最近どう?」と言い合える程度の緩やかな関係で十分なのです。

孤独死を過度に恐れる必要はありませんが、異変に気づいてもらえる仕組み作りは自己責任において不可欠です。

民間の安否確認サービスを導入するのも一案ですが、まずは地域の「地域包括支援センター」の場所を確認し、どのような支援が受けられるのかを事前に知っておくだけでも、安心感は大きく変わります。

50代・60代の今から、自分の生活圏内に複数の居場所と相談先を確保しておくことが、孤立を防ぐ最大の防衛策となります。

終活やることリストを年一回更新する仕組み作り

終活やることリストを年一回更新する仕組み作り

せっかく時間をかけて作成した終活チェックリストやエンディングノートも、一度作って満足してしまい、数年間放置してしまうと、いざという時に「全く役に立たない資料」に成り下がってしまうリスクがあります。

私たちの生活環境は、想像以上のスピードで変化しています。

引っ越しによる住所変更、利用する銀行の統合、新しいサブスクリプションサービスの契約、そして健康状態や人間関係の変化。

これらの最新情報が反映されていないノートは、後を託された人をかえって混乱させてしまいます。

ひとり終活において最も重要なのは、情報を一度完成させることではなく、「常に最新の状態に保つ仕組み」を作ることです。

情報の鮮度が落ちると、死後の手続きで不備が発生したり、医療現場で古い意思表示に基づいた処置が行われたりする危険があります。

メンテナンスを習慣化することこそが、自分自身の意思を確実に未来へ繋ぐための最後の仕上げとなります。

習慣化するための「見直しデー」の設定

情報の更新を忘れないようにするためには、自分なりに覚えやすい「見直しデー」をカレンダーに組み込んでおくのが一番の近道です。

例えば、お正月、誕生日、あるいは毎年の健康診断の結果が出る月など、一年の節目となるタイミングを更新日に設定しましょう。

私は「誕生月」を見直しデーに決めています。

自分へのプレゼントとして「これからの安心」を再確認する作業だと捉えることで、義務感ではなく前向きな習慣として定着させやすくなるからです。

【年一回のリフレッシュ点検項目:マストチェックリスト】

点検カテゴリー 確認すべき具体的内容 更新のポイント
連絡先・人間関係 緊急連絡先の相手、知人の住所・電話番号 疎遠になった人がいないか、連絡先に変更はないか確認
資産・契約情報 銀行口座の残高、暗証番号、新しいクレカの有無 解約した口座を消し、新しく始めたサービスを追記する
デジタル・サブスク スマホのパスコード、定額サービスの利用状況 不要なサブスクは即座に解約し、管理リストを最新にする
医療・介護の意思 人生会議(ACP)の内容、延命治療への考え 今の健康状態に照らして、希望に変わりがないか再確認
保管場所の再点検 実印、通帳、重要書類の置き場所 置き場所を変えた場合は、必ずノートの記載も修正する

情報の鮮度を保ち、信頼性を担保する

情報の鮮度を保ち、信頼性を担保する

情報の更新を行う際は、単に書き直すだけでなく、「いつ時点の情報か」を明記しておくことも忘れないでください。

ノートの各ページやチェックリストの末尾に「2026年1月点検済み」といった日付を入れるだけで、それを見た第三者は「これは信頼できる最新の情報だ」と確信を持って動くことができます。

特におひとりさまの場合、情報の信憑性を本人に確認する術がないため、この日付の有無が手続きのスピードに直結します。

また、健康診断の結果や公的な書類のコピーなど、古くなった資料を差し替える作業も同時に行いましょう。

2026年現在、多くの行政手続きや金融サービスがデジタル化されていますが、それゆえに情報の移り変わりも激しくなっています。

一年に一度、自分自身の人生を棚卸しする時間を設けることは、過去を整理するだけでなく、「これからの一年をどう生きるか」を見つめ直す、非常に充実した時間になるはずです。

まとめ:迷わず動くためのひとり終活は何から始めるか

まとめ

「ひとり終活は何から始めるべきか」という問いに対する最終的な答えは、「今の自分の状態を、一冊のノートに書き留めること」に尽きます。

高額な契約や複雑な法律知識に身構える必要はありません。

まずはペンを手に取り、自分の緊急連絡先を書くことから始めてください。

それが、あなた自身の自由な老後と、後に続く人たちへの優しさに繋がる大きな一歩となります。

終活は決して「死を待つ準備」ではなく、「最後まで自分らしく、豊かに生き抜くための計画」です。

一歩ずつ、今日からできることから始めていきましょう。

困ったときは専門家の力も借りつつ、あなたにとって最適な終活の形を見つけてください。

最後に:この記事で解説した内容や数値、調査データはあくまで一般的な目安です。

法律や制度は常に変化しており、個別の状況によって最適な選択は異なります。

正確な情報は関係各省庁、自治体、あるいは弁護士や司法書士等の専門家にご確認のうえ、最終的な判断を下してください。


参考資料


一般社団法人 終活協議会【2025年調査】老後・終活の準備ート
https://shukatsu-kyougikai.com/news/4734/

内閣府 令和7年版高齢社会白書(全体版)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/html/zenbun/index.html

厚生労働省「人生会議」してみませんか
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02783.html

一般社団法人 全国高齢者等終身サポート事業者協会
https://www.zenshukyo.org/

  • この記事を書いた人

ひとり終活

60歳をすぎて終活について真剣に考えるようになりました。 私は独身なので一人用に調べた事を皆さんにもお伝え出来るサイトを作りました。 トラブルや不安解消のために学びましょう。