一人で暮らしていると、将来の自分や、自分がいなくなった後の部屋のことを想像して、少し不安になる夜があります。
特に、ひとり終活のお金や資産の管理については、どこから手を付けて、誰に何を託せばいいのかが分かりにくいものです。
資産目録やエンディングノートを準備することの大切さは分かっていても、いざ始めようとすると項目の多さに圧倒されてしまうかもしれません。
最近ではネット銀行やスマホ決済、SNSアカウントといったデジタル終活への対応も不可欠になりました。
もしもの時に自分の口座凍結が起きたら、あるいは預貯金の仮払い制度が本当に機能するのか、といった具体的な悩みも尽きません。
さらに、自分に関係する相続税の基礎控除の有無や、万が一の負債に対する相続放棄の期限も、知っておくべき重要な知識です。
2025年10月から始まった公正証書のデジタル化といった最新の制度も活用しながら、自分の財産が不本意に国庫帰属することのないよう、今から準備を整えていきましょう。
記事のポイント
- 資産目録やエンディングノートを使った現状把握のやり方
- デジタル遺産やサブスクリプション管理の具体的なコツ
- 口座凍結や相続税など万一の際に発生するお金の仕組み
- 身元保証や死後事務を専門家に依頼する際の費用目安
ひとり終活におけるお金や資産の管理の始め方

ひとり終活を進める際、私は「まず全体を眺めること」から始めるのが一番の近道だと感じています。
細かな数字を合わせるよりも、まずは自分の資産がどこに散らばっているのかを把握することが、安心への第一歩になります。
資産目録とエンディングノートで財産を一覧化する

ひとり終活を始めるにあたって、私が最も重要だと確信しているのは「情報の可視化」です。
特に身寄りがない、あるいは親族と疎遠な場合、もしもの時に第三者があなたの財産を正しく把握できなければ、大切な資産が誰にも気づかれず放置され、最終的に国庫に帰属してしまうリスクがあります。
まずは、銀行の残高を1円単位で正確に記録することよりも、「どこに何があるか」という地図を完成させることを優先しましょう。
金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によれば、単身世帯の金融資産保有額の平均は941万円、中央値は210万円とされています。
しかし、この数字に一喜一憂する必要はありません。
ひとり終活においては、「自分の余生を支える資金」と「死後の事務手続きに必要な資金」がどこに、どのような形で存在するのかを明確にすることこそが、本当の安心へとつながるからです。
財産の「在処(ありか)」を明確にする資産目録の役割
資産目録を作成する最大のメリットは、手続きを代行する専門家や知人が「迷わずに動ける」点にあります。
最近は通帳を発行しないネット銀行や、郵送物のないペーパーレス保険が増えているため、本人がリストを残していないと、第三者がそれらを見つけ出すのは至難の業です。
私は、預貯金だけでなく、不動産、有価証券、さらには貴金属や美術品といった「負の遺産」になりかねないものも含めて一覧にしています。
資産目録には、金融機関名や支店名だけでなく「届出印の保管場所」や「ログインのヒント」を添えると、実務上の価値が格段に高まります。
まずは、思い出せる範囲で以下の項目を整理してみましょう。
| 資産分類 | 名称・金融機関(支店名) | 管理形態(通帳/アプリ) | 備考・注意点 |
|---|---|---|---|
| 預貯金(メイン) | 〇〇銀行 〇〇支店 | 通帳・カード(金庫内) | 年金受取・光熱費引落口座 |
| ネット銀行 | △△銀行(ネット専用) | スマホアプリのみ | ID・PWは管理ノートを参照 |
| 証券・投資 | ◇◇証券 | 電子交付(郵送物なし) | 新NISA利用中。
特定口座あり |
| 生命保険 | ××生命 | 証券(ファイル保管) | 死亡保険金:300万円(葬儀用) |
| 不動産 | 自宅マンション | 権利証(貸金庫内) | 固定資産税の通知書を確認 |
事務手続きの「指示書」となるエンディングノートの書き方
資産目録が「何を持っているか」を伝えるものなら、エンディングノートは「残された資産をどう使ってほしいか」を伝える指示書です。
ひとり終活において、このノートが果たす役割は極めて重くなります。
なぜなら、あなたが意識を失った時や亡くなった後、法的な相続人がすぐに見つからない場合、病院や行政、専門家はあなたのノートを唯一の「意思表示」として頼りにするからです。
私は、単にお金の話だけでなく、「誰に訃報を知らせてほしいか」「葬儀の規模と予算はどの程度か」「ペットの余生を誰に託すか」といった具体的な行動指針を書き留めています。
特に、死後の事務手続きを司法書士などの専門家に委託(死後事務委任契約)する場合、エンディングノートの内容が契約の基礎となります。
「自分の希望」が具体的に書かれているほど、手続きを担う側の迷いが消え、あなたの尊厳が守られる結果につながるのです。
まずは「これだけはやってほしい」という優先順位の高い項目から、一歩ずつペンを走らせてみましょう。
デジタル終活で重要なIDやパスワードを整理する

今の時代、私たちの「財産」は財布や金庫の中だけにあるわけではありません。
スマートフォンやパソコンの中に存在するデジタル資産は、実体が見えない分、対策を怠ると自分以外には誰にも存在を気づかれないまま消滅してしまう恐れがあります。
ネット銀行の残高、証券口座、ポイント、そしてクラウド上に保存された大切な写真や連絡先など、これらはすべてログイン情報がなければ「開かずの金庫」となってしまいます。
ひとり終活において特に恐ろしいのは、本人が亡くなった後もサブスクリプションの課金が続いたり、重要な契約解除ができずに放置されたりすることです。
私は、デジタル資産を「金銭的な価値があるもの」と「精神的な価値があるもの」に分け、それぞれへのアクセスルートを確保しておくことが、現代の資産管理における最優先事項だと考えています。
故人のスマホロック解除の難しさと「スペアキー」の準備
デジタル終活の第一歩でありながら最大の難所となるのが、スマートフォンのロック解除です。
近年、スマートフォンのセキュリティは非常に強固になっており、たとえ遺族であってもパスワードなしで中身を見ることは困難です。
国民生活センターも、遺族がスマホのロック解除ができずに困るケースが増えているとして、生前の対策(スペアキーの準備)を推奨しています。
最近では「故人のスマホロックを解除します」と謳う専門業者も存在しますが、作業費用として数万円から、難易度によっては10万円を超える見積もりが出ることも珍しくありません。
しかも、OSのバージョンによっては成功報酬制であっても最終的に解除できないケースが多々あるのが実情です。
私は、業者を頼るよりも、iPhoneの「故人アカウント管理連絡先」やGoogleの「無効アカウントマネージャー」といった、OSやサービスが標準で提供している公式の継承機能をあらかじめ設定しておくことが、最も確実で安全な道筋だと確信しています。
(出典:国民生活センター「スマートフォンのスペアキーを準備しましょう」)
マスターパスワードを起点とした「鍵の保管」戦略
数え切れないほどのIDやパスワードをすべて紙に書き出すのは、セキュリティ面で非常に大きなリスクを伴います。
私が実践しているのは、個別のパスワードではなく、「すべての鍵を開けるためのマスターキー」だけをアナログで残すという二段構えの管理法です。
具体的には、パスワード管理アプリやブラウザの保存機能を活用しつつ、その「マスターパスワード」や「スマホのロック解除コード」だけを、エンディングノートの指定箇所や信頼できる専門家に託す「死後事務委任契約」の目録に含めています。
このとき、忘れがちなのが二段階認証の解除手段です。
スマホが手元にないとログインできないサービスも多いため、バックアップコード(復旧用コード)もセットで保管しておくことが、ひとり終活のデジタル管理を完璧にするコツです。
デジタル遺産の見落としを防ぐため、以下の主要項目をチェックリスト化しておきましょう。
自分が利用しているサービスを可視化するだけでも、管理の精度はぐっと上がります。
| 優先度 | 対象資産・サービス | 整理すべき内容 | 放置した場合のリスク |
|---|---|---|---|
| ★★★ | ネット銀行・証券口座 | 金融機関名、口座番号 | 残高の埋没、休眠口座化 |
| ★★★ | スマホ・PCのロック | パスコード、解除設定 | すべてのデジタル情報がアクセス不能に |
| ★★☆ | 定期課金(サブスク) | サービス名、登録メールアドレス | 死後もクレジットカードから引き落とし継続 |
| ★★☆ | 電子マネー・ポイント | 利用アプリ名、残高の有無 | 数万円単位の資産が失効 |
| ★☆☆ | SNS・メールアカウント | 削除希望か、追悼設定か | なりすまし被害や情報の流出 |
サブスク解約を円滑にするための課金情報の整理術

ひとり終活において、私が「最も厄介な伏兵」だと感じているのが、月額制のサブスクリプション(定額課金)サービスです。
動画配信、音楽、クラウドストレージ、アプリの有料プラン、さらには定期購入のサプリメントなど、現代の私たちの生活は「物理的な形のない契約」で溢れています。
これらのサービスは、本人が亡くなった後もクレジットカードが有効であったり、銀行口座が凍結されたりするまでは、解約されない限り延々と自動更新で課金が続いてしまうのが恐ろしい点です。
おひとりさまの場合、同居家族がいないため、スマートフォンの通知やメールに誰かが気づいて止めてくれる可能性は極めて低くなります。
そのため、自分が元気なうちに「どのような契約があるか」を洗い出し、他人が見ても即座に解約手続きができる状態に整えておくことは、残された大切な資産を無駄に流出させないための必須の防衛策となります。
「見えない支出」を特定するための徹底した家計監査
まずは、自分がどのサービスにお金を払っているのかを正確に把握することから始めましょう。
私は、まずクレジットカードの明細を直近3ヶ月分、遡って確認しました。
なぜ3ヶ月分かというと、サービスによっては「3ヶ月に1回」といった不定期な更新があるからです。
さらに、年払いのサブスクを見落とさないよう、過去1年分の大きな引き落としもチェックすることをおすすめします。
特に注意が必要なのが、Apple IDやGoogle Play経由での課金です。
これらはクレジットカードの明細には「アップル」や「グーグル」としか表示されず、具体的に何のサービスか一目では分かりません。
必ずスマートフォンの設定画面から「サブスクリプション一覧」を開き、現在進行形で課金されている項目を一つずつ確認してください。
「使っていないけれど解約を忘れていたサービス」が見つかったなら、今この瞬間に解約してしまうこと。
それ自体が立派な終活の第一歩になります。
代理人が即座に迷わず動ける「サブスク解約リスト」の作成法
サービスを特定できたら、次は「自分以外の人」が手続きを代行することを想定したリストを作成しましょう。
サービス名を書くだけでは不十分です。
解約を頼まれた人が一番困るのは、「どこからログインして、どう解約すればいいのか分からない」という状況です。
私は、解約専用ページのURLや、契約に使用しているメールアドレスをセットにして記録するようにしています。
サブスク解約リストには「ログイン用ID(メールアドレス)」と「解約導線」をセットで記載しておきましょう。
以下の表のような形式で情報を整理し、エンディングノートの別紙として保管するのが理想的です。
| サービス種別 | サービス名 | 登録メールアドレス | 解約方法・備考 |
|---|---|---|---|
| 動画・音楽配信 | Netflix / Spotifyなど | main-address@example.com | 公式サイトのアカウント設定から解約 |
| クラウドストレージ | iCloud / Google One | sub-address@example.com | スマホの「サブスクリプション」画面より |
| 通販・会員サービス | Amazonプライムなど | main-address@example.com | プライム会員情報の設定画面より解約 |
| ニュース・雑誌 | 〇〇新聞デジタルなど | main-address@example.com | 電話解約が必要な場合、その番号を記載 |
リストを作成したら、その保管場所を「死後事務委任契約」を交わした司法書士などの専門家や、信頼できる知人に確実に伝えておきましょう。
サブスクリプションは、解約が1日遅れるだけで翌月分の料金が発生してしまいます。
迅速に手続きを完結できる環境を整えておくことこそが、ひとり終活のお金・資産の管理を成功させるための「整理術」の核心です。
身元保証サービスや生活支援の利用に必要な費用

おひとりさまとして自由に暮らす一方で、私がどうしても拭いきれなかったのが「入院や施設入居が必要になった時の身元保証人」という壁です。
日本の社会システムの多くは今でも「家族がいること」を前提に設計されており、頼れる親族がいない場合や、遠方の親族に迷惑をかけたくない場合には、自力でその機能を確保しなければなりません。
そこで注目されているのが、家族の役割を契約で代行してもらう身元保証サービスです。
2026年現在、これらのサービスは単なる保証人の引き受けに留まらず、日常の見守りから緊急時の駆けつけ、そして死後の諸手続きまでを網羅したパッケージ型が主流となっています。
これらは「孤独死の防止」だけでなく、「最後まで自分らしい尊厳を保つための資産防衛策」としての側面も持っています。
決して安価な買い物ではありませんが、全ての支援を対価(お金)で調達するおひとりさまにとって、その内訳を正しく知ることは非常に重要です。
ライフステージに合わせたパッケージプランの費用感
具体的な費用の例として、一般社団法人終活協議会が提供する「心託(しんたく)」サービスを挙げると、ニーズに合わせて複数のプランが用意されています。
例えば、生前の身元保証と緊急連絡先に特化した「安心プラン」は約38万円(税込)から、葬儀や遺品整理、任意後見契約までをフルカバーする「完璧プラン」は約187万円(税込)までと幅があります。
一見すると高額に思えるかもしれませんが、これには病院への駆けつけや施設入居時の連帯保証、さらには認知症になった際のサポートが含まれています。
私は、これを単なる「手数料」ではなく、24時間365日の安心を買うための「家族機能の維持費」だと捉えています。
特に「完璧プラン」のようなフルパッケージの場合、葬儀代や納骨代も含まれていることが多く、個別に手配する手間とコストを考えれば、トータルの合理性は高いと言えるでしょう。
資産を守るために不可欠な「預託金」の保全チェック
サービスを契約する際、最も慎重にならなければならないのが、将来の支払いのために預ける「預託金(デポジット)」の扱いです。
数十万、数百万という大金を預ける以上、万が一その運営会社が倒産したり、不適切な経営を行ったりした場合、あなたの大切な老後資金が失われてしまうリスクがあります。
契約前には、預けたお金が「信託銀行」などで分別管理されているかを必ず確認してください。
運営会社の一般会計と切り離されていれば、会社に何かあってもあなたの資産は保護されます。
以下の表を参考に、検討中のサービスがどのレベルまでカバーしているか比較してみましょう。
| プラン・サービス名 | 主なカバー範囲 | 費用目安(税込) | ターゲット・向いている人 |
|---|---|---|---|
| 生前保証(安心系) | 身元保証・緊急連絡先・見守り | 30万 〜 50万円 | 健康だが保証人が必要な方 |
| 死後整理(整理系) | 葬儀・納骨・遺品整理・事務 | 100万 〜 150万円 | 死後の始末を完結させたい方 |
| フルカバー(完璧系) | 生前保証 + 死後整理 + 任意後見 | 180万 〜 200万円 | 親族を頼らず全てを託したい方 |
私は、複数の見積もりを比較する中で、単に「安い」ところを選ぶのではなく、「預託金の保全制度が明文化されているか」と「月会費などの追加費用が発生しないか」を最優先の基準にしました。
ひとり終活のお金・資産の管理は、一度契約すれば長く続くものです。
自分自身のキャッシュフローを圧迫しないよう、契約書の内容を隅々まで読み込み、納得できるまで専門家の説明を求めることが、後悔しないための最大の防衛策です。
任意後見契約で認知症による資産凍結リスクに備える

ひとり終活において、私が最も「見えない恐怖」だと感じているのが、認知症などによる判断能力の低下に伴う資産凍結です。
本人の意思確認ができないと判断されると、たとえ生活費や入院費の支払いであっても、銀行窓口での引き出しや定期預金の解約が制限されることがあります。
おひとりさまの場合、家族が代わりに手続きをすることも難しいため、資金が手元にあるのに使えないという非常に厳しい状況に陥りかねません。
このリスクを回避するための有力な手段が、「任意後見契約」です。
任意後見契約とは、十分な判断能力があるうちに、将来もし能力が不十分になった場合に備えて、自分の財産管理や介護・福祉サービスの手配などを誰に託すかをあらかじめ公正証書で契約しておく制度です。
本人の希望を最大限に反映できるため、「最後まで自分の意思で資産の使い道を決めたい」と願うおひとりさまにとって、これ以上ないほど心強い備えとなります。
「自分で選べる」任意後見の仕組みとタイミング
任意後見契約の最大の特徴は、後見人となる相手を自分で自由に選べる点にあります。
判断能力を失った後に家庭裁判所が選任する「法定後見」では、必ずしも本人の希望通りの人が選ばれるとは限りません。
一方、任意後見であれば、あなたが信頼できると感じた相手と直接契約を結ぶことができます。
契約を結ぶタイミングは「元気な今」です。
判断能力が不十分になってからでは、任意後見契約を結ぶことはできません。
私は、この契約を「将来の自分へのプレゼント」だと考えています。
あらかじめ任意後見受任者を決めておくことで、認知症発症後もスムーズに財産管理が移行され、資産凍結という最悪の事態を防ぐことが可能になるのです。
補足:任意後見を支える「監督」の存在
任意後見契約は、本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任した時点から効力が発生します。
監督人がつくことで、後見人による不正や無駄遣いをチェックする体制が整うため、ひとり終活でも資産が守られる仕組みになっています。
| 比較項目 | 任意後見(本人が準備) | 法定後見(家族等が申請) |
|---|---|---|
| 後見人の選定 | 本人が事前に指名できる | 家庭裁判所が決定する |
| 支援内容 | 契約で自由に定められる | 法律の定めに従う |
| 費用の目安 | 月額2万〜6万円程度(受任者への報酬) | 管理財産額に応じ裁判所が決定 |
| 開始時期 | 判断能力低下後、監督人選任時から | 審判確定時から |
(出典:法務省「成年後見制度」)
ひとり終活で「司法書士法人」などの法人を選ぶ安心感
後見人を誰にするかという選択において、以前は親族を選ぶのが一般的でしたが、ひとり終活では「司法書士法人」や「行政書士法人」などの法人と契約するケースが急速に増えています。
私自身も検討する中で、個人ではなく法人を選ぶメリットの大きさに気づきました。
最大の利点は、「継続性と組織的なチェック体制」です。
個人の専門家と契約した場合、その先生自身が病気になったり、先に亡くなってしまったりする可能性があります。
しかし、法人であれば担当者が不在になっても組織として後見業務が継続されます。
また、組織内でのダブルチェックが行われるため、個人による資産の着服といった不正リスクを低減できる点も大きな安心材料です。
月額の報酬は必要経費として発生しますが、自分の尊厳と資産を確実に守り続けるための投資だと捉え、信頼できる法人組織をパートナーに選ぶことをおすすめします。
ひとり終活のお金や資産の管理と死後の対策

自分の死後、残されたお金がどう動くのかを知っておくことは、自分自身の不安を解消するだけでなく、お世話になった方々への最後の手向けにもなります。
ここでは、具体的な手続きと最新の制度について整理します。
口座凍結時に役立つ預貯金の仮払い制度の活用法

ひとり終活を考える中で、私が一番現実的な不安として感じたのが「死後、自分の銀行口座が凍結されて、誰もお金を引き出せなくなること」でした。
通常、金融機関が本人の死亡を把握すると、相続財産を保護するために口座は即座に凍結されます。
たとえ善意の知人や、手続きを託された専門家であっても、正式な相続手続きが完了するまでは自由にお金を動かすことはできません。
葬儀代や医療費の清算といった「待ったなしの支払い」が迫る中、この口座凍結は非常に大きな壁となります。
このリスクを緩和するために、2019年から施行されているのが預貯金の払戻し制度(仮払い制度)です。
この制度の最大のメリットは、遺産分割協議が成立する前であっても、他の相続人の同意なしに単独で一定額の払い戻しを受けられる点にあります。
おひとりさまの場合、法定相続人が兄弟姉妹やその甥・姪など多岐にわたり、連絡を取り合うだけでも時間がかかるケースが少なくありません。
そうした状況下で、当座の資金を確保できるこの仕組みは、まさに救済措置と言えるでしょう。
知っておきたい仮払いの上限額と計算ルール:
金融機関の窓口で直接請求できる金額には上限があります。
計算式は「死亡時の預貯金残高 × 1/3 × 請求者の法定相続分」となりますが、さらに一つの金融機関につき最大150万円までという上限が設定されています。
| 計算要素 | 内容 | 具体的な例(残高600万円、相続人が兄弟2人の場合) |
|---|---|---|
| 法定相続分 | 法律で定められた相続の割合 | 兄弟1人あたり「1/2」 |
| 計算式 | 残高 × 1/3 × 相続分 | 600万円 × 1/3 × 1/2 = 100万円 |
| 上限額 | 法務省令で定める上限 | 100万円 ≦ 150万円 なので「100万円」が限度 |
制度を利用するための「書類の壁」と実務上の注意点
便利な制度ではありますが、窓口へ行けばすぐに現金が手に入るわけではありません。
手続きには、亡くなった方の「出生から死亡までの連続した戸籍謄本一式」や「相続人全員の戸籍謄本」など、膨大な書類が必要になります。
特に、おひとりさまで兄弟相続が発生する場合、戸籍の収集だけで数週間から1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
私は、この「書類集めのタイムラグ」こそが最大の懸念だと感じています。
口座凍結から仮払いの実行までには、想像以上の時間と手間がかかることを覚悟しておかなければなりません。
また、金融機関によって必要書類の細かな運用が異なる場合があるため、生前に利用予定の銀行へ「もしもの時の仮払い手続き」について軽く確認しておくと、残された側の負担を減らすことができます。
制度に頼りすぎない「当座の現金」の備え方
仮払い制度はあくまで予備の手段と考え、私は「制度を使わなくても動かせるお金」を確保しておく二段構えの対策を推奨しています。
例えば、葬儀費用として200万円程度を、信頼できる受任者(死後事務委任契約の相手など)がすぐに使えるよう信託口座に預けておく、あるいは「受取人固有の財産」としてすぐに支払われる生命保険を活用するなどの方法です。
また、自宅の金庫に「当座の生活費や葬儀の着手金」として、数十万円程度の現金を置いておくことも検討に値します。
もちろん防犯上のリスクはありますが、銀行が閉まっている休日や深夜に事態が起きた際、現金が手元にあることの安心感は計り知れません。
仮払い制度という「公的な権利」と、手元資金という「即応性」を組み合わせることが、ひとり終活のお金・資産の管理を完璧にする鍵となります。
相続税の基礎控除と相続放棄の期限を正しく理解する

ひとり終活のお金・資産の管理を考える際、多くの人が「自分には豪邸や多額の貯金があるわけではないから、税金なんて関係ない」と考えがちです。
しかし、実はここにおひとりさま特有の落とし穴があります。
相続税には「ここまでは税金がかからない」という基礎控除額がありますが、この枠は法定相続人の数によって決まります。
配偶者や子供がいないひとり終活の場合、相続人の数が少なくなるため、この非課税枠が想像以上に小さくなるケースが多いのです。
私が自分の資産を計算してみた際も、都内の小さな自宅マンションと退職金、少しの貯蓄を合わせるだけで、基礎控除のラインをあっさりと超えてしまう可能性に気づきました。
もし税金の対象になることを知らずに対策を怠ると、残された親族や遺贈先が納税資金の工面に苦労することになります。
まずは自分の立ち位置を正しく把握することが、責任ある資産管理の第一歩です。
意外と低い?おひとりさまの「相続税の基礎控除」の計算式
相続税の基礎控除額は、以下の計算式で算出されます。
おひとりさまの場合、法定相続人が兄弟姉妹(あるいはその甥・姪)のみ、あるいは「なし」という状況が想定されます。
例えば、兄弟が1人だけなら基礎控除は3,600万円ですが、相続人が誰もいない場合は、この控除の考え方自体が変わり、原則としてすべての遺産が国庫に帰属する前に清算手続きが必要になります。
法定相続人の数によって、税金がかからない範囲(基礎控除)がどれだけ変わるかを一覧にまとめました。
自分の場合に当てはめて確認してみましょう。
| 法定相続人の数 | 基礎控除額の計算式 | 非課税となる限度額 |
|---|---|---|
| 1人 | 3,000万円 +(600万円 × 1) | 3,600万円 |
| 2人 | 3,000万円 +(600万円 × 2) | 4,200万円 |
| 3人 | 3,000万円 +(600万円 × 3) | 4,800万円 |
(出典:国税庁「相続税の計算と税率」)
「3ヶ月」の壁に注意!負債を引き継がせないための相続放棄
お金・資産の管理には、プラスの財産だけでなく「マイナスの財産(負債)」の管理も含まれます。
もし自分に借金がある場合や、亡くなった親族から負債を相続しそうな場合には、相続放棄という選択肢を知っておかなければなりません。
相続放棄をすれば、最初から相続人ではなかったとみなされ、借金を引き継ぐ必要がなくなります。
ここで最も注意すべきは期限です。
相続放棄は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。
この「3ヶ月」という期間は、資産や負債の調査をしているとあっという間に過ぎてしまいます。
おひとりさまの場合、死後に自分の状況を詳しく知らない親族が相続人になる可能性が高いため、あらかじめ負債の有無を資産目録に正直に記しておくことが、残された人々を予期せぬ借金トラブルから守る唯一の方法です。
もし期限を過ぎてしまうと、原則としてすべての借金を相続(単純承認)したとみなされ、取り返しがつかなくなるため、早めに司法書士や弁護士といった専門家へ相談することをおすすめします。
大切な資産が国庫に帰属すのを防止・遺言書で意思表示

ひとり終活を進める中で、私が最も「自分の意思を形にする重要性」を感じたのが遺言書の作成です。
特に、お世話になった友人や特定の保護猫団体、NPO法人などに自分の資産を寄付したい(遺贈)と考えている場合、遺言書がなければその願いが叶うことはまずありません。
法定相続人がいないおひとりさまの場合、遺言書がないと最終的に大切な資産が国庫に帰属してしまいます。
自分の人生の集大成ともいえる資産の「出口」を自分で決めることは、ひとり終活のお金・資産の管理における最終ミッションだと言えます。
特筆すべきは、2025年10月1日から本格的に運用が開始された公正証書のデジタル化(電子公証制度の拡充)です。
これまでは、公証役場に直接足を運び、紙の書類に署名・捺印して原本を保管してもらう必要がありましたが、この制度改正によって手続きの利便性と安全性が飛躍的に向上しました。
2026年現在のいま、デジタル化された公証制度は、身軽に動きたいおひとりさまにとって非常に心強い味方となっています。
2025年10月から始まった公正証書のデジタル化のメリット
公正証書のデジタル化により、これまでハードルが高かった手続きがぐっと身近になりました。
大きな変更点は、「公正証書の作成・保存・送達がオンライン上で完結できるようになった」ことです。
具体的には、テレビ電話を通じた本人確認や、マイナンバーカードを利用した電子署名により、公証人と対面せずに公正証書を作成することが可能となりました(※事案によります)。
デジタル化の最大の恩恵は、情報の検索性と紛失リスクの低減にあります。
デジタルデータとして保管されるため、自分がどこで遺言書を作ったのか、どのような内容だったのかという照会がスムーズになります。
おひとりさまの場合、万が一の際に「遺言書がどこにあるか分からない」という事態が最も避けたいリスクですが、デジタル管理によって、必要とする人(遺言執行者など)がその存在に辿り着きやすくなるのは画期的な進歩です。
おひとりさまが公正証書遺言を選ぶべき理由と費用目安
遺言書には自分で書く「自筆証書遺言」もありますが、私はあえて公正証書遺言をおすすめします。
自筆の場合、形式の不備で無効になるリスクや、死後に家庭裁判所での「検認」という手間のかかる手続きが必要になります。
一方、公正証書遺言は法律の専門家である公証人が作成するため、法的な有効性が極めて高く、死後すぐに手続きを開始できるからです。
公正証書遺言の作成には数万円の費用がかかりますが、将来のトラブルを防ぐ「保険料」と考えれば非常に合理的です。
主な費用の構成と特徴を以下の表にまとめました。
自分の資産規模に合わせて、大まかな予算を把握しておきましょう。
| 項目 | 費用の目安・特徴 | おひとりさまへのメリット |
|---|---|---|
| 公証人手数料 | 遺産額により数万円〜(政令で規定) | 公的に内容が保証され、無効リスクがない |
| 証人(2名)の手配 | 1人あたり1万円程度(紹介の場合) | 知人に頼みにくい場合も、専門家が手配可能 |
| デジタル化対応 | 電子署名・データ保存等の実費 | 紛失・隠匿の心配がなく、検索が容易 |
| 作成期間 | 通常1ヶ月〜2ヶ月程度 | 意思がはっきりしているうちに準備可能 |
私は、ひとり終活のお金・資産の管理を完結させるために、まずは公証役場の公式サイトで「デジタル公正証書」の最新の手順を確認することをおすすめします。
2025年の法改正によって、「書面」という物理的な制約から解放され、より確実に自分の意思を残せるようになったことは、私たちおひとりさまにとってこれ以上ない追い風です。
自分の資産が社会の役に立つ未来を想像しながら、プロの力を借りて納得のいく遺言書を整えていきましょう。
デジタル資産の承継とスマホのロック解除への備え

ひとり終活において、私が最も「現代特有の難所」だと感じているのが、スマートフォンやパソコンの中に眠るデジタル資産の扱いです。
今の時代、スマホは単なる連絡手段ではなく、ネット銀行への入り口であり、証券口座の管理ツールであり、そして数え切れないほどの思い出が詰まった「人生の金庫」そのものです。
しかし、この金庫は持ち主が亡くなった瞬間に、非常に強固なセキュリティによって誰にも開けられない「開かずの金庫」へと変わってしまうリスクを孕んでいます。
おひとりさまの場合、自分が亡くなった後に「スマホを開いて中身を確認してくれる家族」がそばにいません。
もしロックが解除できなければ、ネット銀行にある預金が誰にも気づかれず休眠口座化したり、有料サブスクリプションの課金が止まらずに資産を食いつぶしたりといった、経済的な損失に直結します。
私は、形のある「通帳」を整理するのと同じくらい、この「デジタルの鍵」をどう引き継ぐかの準備が重要だと痛感しています。
高額な解除費用を回避するための「事前設定」
万が一、スマホのロックが解除できない状態で放置された場合、残された人は専門の「ロック解除業者」を頼ることになります。
しかし、この費用は決して安くありません。
2026年現在の相場でも、調査や作業に2万円〜5万円程度、難易度が高い場合は10万円以上の費用を提示されることもあります。
さらに、最新の機種やOSのアップデート状況によっては、高額な費用を払っても「解除不可能」という結論が出ることも珍しくないのが実情です。
私は、こうした不確実な業者頼みになる前に、デバイスが標準で備えている「遺産継承機能」を設定しておくべきだと考えています。
iPhoneであれば「故人アカウント管理連絡先」、Android(Google)であれば「無効アカウントマネージャー」を事前に設定し、自分が亡くなった後に特定の相手がデータにアクセスできる権利を与えておくことが、最も確実でコストのかからない対策になります。
デジタル資産の「放置」に伴う主なリスクと対策:
解除業者の成功率は100%ではありません。
以下の表で、事前対策を行わなかった場合に発生する可能性のあるリスクを確認しておきましょう。
| 対象 | 主なリスク内容 | 生前にできる解決策 |
|---|---|---|
| ネット銀行・証券 | 口座の存在に誰も気づかず、資産が消失する | 資産目録への記載 + ID管理ソフトの活用 |
| スマホ内の写真 | 思い出のデータが永久にアクセス不能になる | OS標準の「故人アカウント設定」を行う |
| サブスク課金 | 遺産から延々と利用料が引き落とされ続ける | クレジットカードの停止 + 解約リストの作成 |
| 仮想通貨・FX | 相場変動に気づかず、莫大な損失や追証が発生 | 取引所の有無とパスワードの保管場所を明示 |
自動検知サービス「Digital Keeper」の活用メリット
自分から情報を発信できなくなった時に備えて、私が注目しているのが「Digital Keeper(デジタルキーパー)」のようなオンラインのデジタル終活サービスです。
このサービスの仕組みは非常に合理的です。
一定期間(例えば1週間など)、本人がシステムからの確認メールに反応しなかったり、ログインがなかったりした場合、あらかじめ指定しておいた「継承者」に対し、預けておいたパスワードやメッセージを自動でメール通知してくれるのです。
このサービスの大きなメリットは、月額330円程度のわずかな負担で「死の検知」から「情報の伝達」までを自動化できる点にあります。
おひとりさまの場合、「自分がいつ倒れるか分からない」という不安が常に付きまといますが、こうしたシステムを導入しておけば、自分の意識がなくなった後の「情報のバトン」を確実に誰かに渡すことができます。
私は、この通知先を「死後事務委任契約」を交わした司法書士などの専門家や、最も信頼できる友人に設定しておくことで、デジタルの壁を乗り越える盤石な体制を整えられると考えています。
「開かないスマホ」を無理やりこじ開けるのではなく、最初から「鍵の受け渡し方法」をシステム化しておくことこそが、現代の賢い資産管理のあり方です。
不動産売却や遺品整理の手続きを専門家に依頼する

ひとり終活を進める中で、自分がいなくなった後に最も大きな「物理的な負担」を強いるのが、住まいと遺品の後始末です。
おひとりさまの場合、部屋の片付けや自宅不動産の売却を誰が担い、その費用をどこから捻出するのかを明確に決めておく必要があります。
遺品整理の費用は、1K程度の単身向け物件でも数万円から、もし荷物の多い一軒家であれば100万円を超えるケースも珍しくありません。
こうした重い実務を確実に遂行してもらうために欠かせないのが、死後事務委任契約です。
私は、信頼できる専門家に依頼して「誰が動き、どの資産から支払うか」という契約をあらかじめ結んでおくことが、自分らしい最期を迎えるための責任だと考えています。
特に不動産に関しては、2024年4月から始まった「相続登記の義務化」により、放置しておくことが許されない時代になりました。
自分が元気なうちに「不動産を売却して介護施設への入居費用に充てる(生前処分)」のか、あるいは死後に「専門家に売却・換金してもらい遺贈や清算に充てる(死後処分)」のか、方針を立てておかなければなりません。
不動産は最大の資産であると同時に、管理を誤れば「負動産」として周囲に多大な迷惑をかけるリスクを孕んでいるからです。
個人ではなく「法人」としての組織力を確認する
専門家選びにおいて、私が最も重視したのは「組織としての継続性」です。
ひとり終活は、契約から実行まで数十年という長い年月を要することがあります。
個人の事務所に依頼した場合、最大の不安は「その先生が自分より先に亡くなったり、病気で廃業したりするリスク」です。
もしもの時に担当者が不在では、せっかくの契約も意味をなしません。
私は、複数の司法書士や弁護士が在籍する司法書士法人や弁護士法人、あるいは一般社団法人など、組織として契約を引き受けてくれる相手を選ぶのが最も安全だと判断しました。
法人であれば、担当者が変わっても組織全体で情報を共有し、事務を滞りなく遂行できる体制が整っているからです。
自分の人生の締めくくりを託すパートナーには、確固たる安定性が求められます。
費用体系の透明性と「預託金」の管理方法を問う
死後事務委任契約や任意後見契約では、将来の葬儀代や家財整理費用のための「預託金」として、数百万円単位のお金を事前に預けることになります。
このお金が事務所の運営資金と完全に分けて管理(分別管理)されているかは、絶対に確認すべきポイントです。
最も信頼できるのは、信託銀行などの外部機関を介して資産を管理する仕組みを導入している組織です。
また、不動産の生前処分を検討する際は、譲渡所得税の申告が必要になる場合もあり、税理士報酬(目安5万〜20万円)なども発生します。
こうした「見えないコスト」も含め、相談時に明確な見積もりを提示し、「預託金の保全方法」を具体的に説明してくれるかが、信頼を測るリトマス試験紙となります。
「一括で支払えばあとはお任せ」といった、内訳の不透明な説明には十分注意してください。
メリットだけでなく「リスクやデメリット」を説明するか
どんなに優れた制度や契約であっても、必ず一長一短があります。
例えば、任意後見契約は資産凍結を防ぐ強力な手段ですが、後見監督人への報酬というランニングコストが一生涯発生し続けます。
誠実な専門家であれば、こうした依頼者にとって不利になる情報や、将来発生するであろうコストについても隠さず、正直に伝えてくれるはずです。
私は、相談の際に「今はまだこの契約を結ぶ必要はありませんよ」といった、相手の利益よりもこちらの状況を優先したアドバイスをしてくれるかどうかを注視しました。
不必要な契約を無理に勧めず、自分の資産状況に寄り添った最適なプランを提示してくれる専門家こそが、長い余生を共に歩むパートナーに相応しいと言えます。
複数の専門家による「相互監視」の仕組みがあるか
資産管理における不正を防ぐ究極の手段は、一人の人間や一つの組織にすべての権限を集中させないことです。
成年後見制度であれば、家庭裁判所から選任される「後見監督人」がその役割を果たしますが、死後事務においても第三者によるチェック機能が働いているかが重要です。
私は、公的な監視に加えて、外部監査を受けている法人や、異なる士業(司法書士と税理士など)が連携してクロスチェックを行う体制がある組織を選びました。
一人の「善意」だけに頼るのではなく、「不正ができない仕組み」が構造的に備わっているかを確認してください。
成年後見制度における不正防止については、国も対策を強化しており、その詳細や現在の課題については法務省の公式サイトでも詳しく公開されています。
こうした公的な情報に目を通しておくことも、自分を守るための賢明な防衛策です。
(出典:法務省「成年後見制度について」)
ひとり終活のお金・資産の管理を託す際の、専門家選びのチェックリストをまとめました。
相談に行く前の準備として、ぜひ活用してみてください。
| 確認項目 | チェックのポイント | 安心の目安 |
|---|---|---|
| 組織の形態 | 個人事務所か、法人格を持っているか | 法人受任が可能で、複数の士業が在籍 |
| 預託金の管理 | 預けたお金の保管先が明確か | 信託銀行等による分別管理の導入 |
| 費用の明示 | 実費と報酬の区別、追加費用の説明 | 詳細な見積書と契約書の下書きを提示 |
| 監視体制 | 不正を防ぐ外部チェック機能があるか | 外部監査の導入、または複数士業の連携 |
まとめ:ひとり終活のお金や資産の管理を完結させる

ひとり終活のお金や資産の管理は、一見すると「終わり」のための準備に見えますが、実は「今」をより良く生きるための整理整頓です。
資産目録で自分の立ち位置を確認し、デジタル終活で現代的なリスクを摘み取り、公正証書や後見契約で将来の不安に蓋をする。
このプロセスを経ることで、私たちは日々の暮らしをより軽やかに楽しむことができるようになります。
まずは、引き出しに眠っている通帳やカードを並べてみることから始めてみてください。
完璧を目指す必要はありません。
少しずつ書き足していくうちに、自分にとって本当に大切なものが見えてくるはずです。
判断に迷うことや、法的な手続きが必要な場合は、司法書士や税理士、弁護士といった専門家の力を借りることも恥ずかしいことではありません。
2024年に国庫へ入った行き場のない資産は1,200億円を超えていますが、あなたが大切に築いてきた財産を、あなたの望む形に整える。
そのための第一歩を、今日から踏み出していきましょう。
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見守り新鮮情報 第505号(2025年2月20日)始めましょう!デジタル終活(PDF)
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2025年10月1日から公正証書の作成手続がデジタル化されます!(日本公証人連合会)
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公正証書の作成手続が デジタル化されます!(リーフレットPDF)
https://www.koshonin.gr.jp/images/7aaee7fb5b3de582f4a87b5179dd478d.pdf
Web会議を利用した公正証書の作成の流れについて(日本公証人連合会)
https://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/20250922.html
