👵親の認知症に備えて、成年後見制度の利用を検討する人は増えています。
💦しかし、制度の仕組みを十分に理解しないまま利用を始めると、想定外の費用や家族との意見の対立など、さまざまなトラブルに直面することがあります。
🛡️成年後見制度は、判断能力が低下した人の財産と権利を守るための重要な公的な仕組みです。
💡この記事では、成年後見人をめぐってどのようなトラブルが起きやすいのか、その原因と事前の備えについて分かりやすく解説します。
🏢個別の法的・税務上の判断は、記事で示す資料をそろえ、相談内容に合う専門家や窓口に確認してください。
成年後見制度で起こりやすいトラブルとは?

😢成年後見制度を利用した後に「こんなはずではなかった」と後悔するケースには、いくつかの共通点があります。
🔍ここでは、とくに注意したい4つの代表的なトラブルを整理します。
専門家への報酬が亡くなるまで続く
👨⚖️成年後見制度では、弁護士や司法書士などの専門家が後見人に選ばれることがあります。
💸専門家が後見人になると、本人が亡くなるまで毎月の報酬が発生し続けるため、長期的な費用の負担がトラブルの火種になることが少なくありません。
- 👛専門家の後見人報酬は月額2万〜6万円程度が目安となる
- 📈本人の預貯金や不動産などの資産状況に応じて報酬が高くなる
- 🏠特別な手続き(不動産売却など)を行った場合は付加報酬が発生することがある
- 🛑報酬は本人の財産から支払われ、家族が途中で勝手に支払いを止めることはできない
🤝親族が後見人になった場合でも、家庭裁判所によって「後見監督人」という専門家が付けられることがあります。
📝この場合も、監督人に対する報酬が継続して発生するため、預貯金の残高を踏まえた事前の資金計画が必要です。
家族が希望する人が選ばれない
🏛️すでに判断能力が低下した後に利用する「法定後見制度」では、誰を後見人にするかを最終的に決めるのは家庭裁判所です。
👨👩👦家族が「長男を後見人にしたい」と希望しても、その通りに選任されるとは限りません。
- ⚡親族間で意見の対立がある場合は中立な専門家が選ばれやすい
- 💰管理する財産が高額だったり、種類が多かったりすると専門家が選任される傾向がある
- 📄親族が候補者として申し立てても、裁判所の判断で第三者である専門職が選ばれることが多い
- 🔒一度選任された後見人は、不正などの正当な理由がない限り原則としてやめさせられない
💔希望と異なる専門家が選任され、家族が本人の財産状況を自由に把握できなくなることで、心理的な不満や対立が生まれるケースが見られます。
財産の処分や活用が厳しく制限される
🛡️成年後見制度は「本人の財産を維持・保護すること」を最大の目的としています。
❌そのため、本人の財産を減らすような行為や、リスクのある運用は原則として認められず、家族の都合で柔軟に財産を活用できなくなります。
- 🎁子どもや孫への生前贈与など、相続税対策のための資金移動ができなくなる
- 📉株式投資や積極的な資産運用など、元本割れのリスクがある取引は制限される
- 🏠自宅の売却には家庭裁判所の許可が必要となり、生活費の確保など明確な理由がないと認められにくい
- 🙅♀️本人の生活維持に直接関係のない、親族への経済的な援助は認められない
注意:家族のための支出は制限されます
「親の預金で実家をリフォームしたい」「親の資金で孫の学費を払いたい」といった、家族のための支出は、本人の利益にならないとみなされ裁判所から許可されないのが一般的です。
後見人による不正流用・横領のリスク
😨後見人による本人の財産の不正流用や横領も、制度上の課題として指摘されています。
📊親族による使い込みだけでなく、専門職が預貯金から不正にお金を引き出す事例も報告されています。
- 🛍️親族の後見人が、自分の生活費と本人の財産を混同して使い込んでしまうケースがある
- 👔弁護士や司法書士などの専門職が、立場を悪用して多額の財産を横領する事件も存在する
- 📉最高裁判所の過去の集計では、不正の被害額が年間で数億円規模に及ぶ年もあった
- 🕵️♂️不正が発覚したときにはすでに財産が失われており、被害回復が困難なことが多い
⚖️家庭裁判所も不正防止のために監督制度の強化等を行っていますが、すべての不正を完全に防ぐことは難しいのが実情です。
【実例に学ぶ】成年後見人とブラックボックス化のリスク

📰報道などでも指摘されている深刻なトラブルとして、第三者が本人の財産管理に入り込み、親族が介入できなくなる「ブラックボックス化」の問題があります。
🔍ここでは、特定の事件を参考に、どのような経緯でトラブルが起こり得るのかを確認します。
判断能力が曖昧な時期の契約トラブル
📝本人が元気なうちに自分で後見人を決める「任意後見制度」は、本来本人の意思を尊重するための仕組みです。
⚠️しかし、認知症の疑いがあるなど、判断能力が曖昧な時期に第三者と任意後見契約を結んでしまうと、取り返しのつかない事態になることがあります。
- 📄本人の判断能力に疑いがあるにもかかわらず、「問題ない」とする診断書を用意して契約が進められる
- 🤝親族が知らない間に、第三者(専門家など)が任意後見人に就任してしまう
- 🏢後見人がついた直後に不自然な財団法人が設立され、本人の不動産や現金が無償で譲渡される
- 💰後見人自身の関係先や、本人と直接関係のない団体へ多額の寄付が行われてしまう
🕵️♂️このような計画的なスキームが組まれた場合、書類上は「本人の意思(合法)」として手続きが完了してしまいます。
😢本人が亡くなった後に、当時の意思能力がなかったことを証明して裁判などで契約を覆すことは、極めて困難です。
親族が介入できなくなる理由と注意点
🔒一度任意後見人が正式に就任し、財産の管理権限を握ってしまうと、実の子どもであっても状況を把握できなくなることがあります。
📞ヘルパーや後見人によって実家への立ち入りを妨害されたり、電話を着信拒否にされたりして、本人との接触を完全に断たれてしまう事例も指摘されています。
- 📋後見人は守秘義務を理由に、親族に対しても財産の詳細を開示しないことがある
- 🛡️任意後見監督人がついていれば監督が行われるが、契約内容そのものが偏っていると是正が難しい
- 👨👩👧親族が蚊帳の外に置かれ、気がついたときには巨額の資産が流出している状態に陥る
補足:日頃からのコミュニケーションが重要です
本人の判断能力が低下し始めた時期は、悪意のある第三者につけ込まれやすいタイミングでもあります。
離れて暮らす親であっても、日頃から連絡を取り合い、不審な契約を結んでいないか家族で見守る体制が予防につながります。
トラブルを防ぐための事前の備えと選択肢

💡判断能力が低下した後のトラブルを防ぐためには、元気なうちから情報を集め、複数の選択肢を比較しておくことが大切です。
📝どのような準備ができるのか、具体的なステップを確認していきましょう。
制度の違いを理解し希望を整理する
🗣️まずは、本人がどのような老後を過ごしたいか、誰に財産管理を任せたいかを家族で話し合い、希望を整理してみましょう。
📚成年後見制度には、大きく分けて「任意後見」と「法定後見」の2種類があり、利用するタイミングと選べる人が異なります。
- 元気なうちに自分で後見人と支援内容を決めるのが「任意後見」である
- すでに判断能力が低下した後に、家庭裁判所が後見人を決めるのが「法定後見」である
- 任意後見契約を結んでいても、裁判所が監督人を選任するまでは効力が発生しない
- 自分が信頼する人に管理を任せたいなら、元気なうちに任意後見契約を結ぶ必要がある
⏳タイミングを逃してしまうと、選択肢が法定後見のみになり、裁判所の判断で面識のない専門家が選ばれる可能性が高くなります。
家族信託など他の制度と比較検討する
🧩本人の財産を柔軟に管理・活用したい場合は、「家族信託」などの仕組みも選択肢の一つとして検討できます。
🤝家族信託とは、本人が元気なうちに、信頼できる家族(子どもなど)に財産の管理を託す契約のことです。
- 🏠本人の希望に沿って、自宅の売却や資産の活用など柔軟な財産管理ができる
- 💸成年後見制度のような、専門家への月額報酬を抑えやすい傾向がある
- 🏥身上保護(医療や介護施設への入所手続きなど)の権限は家族信託には含まれない
- 📝契約書の作成には専門的な知識が必要で、初期費用がかかる
⚖️家族信託は万能ではありません。
身上保護が必要な場合は、任意後見契約と家族信託を併用するなど、家庭の状況に合わせた設計が求められます。
🏦また、手元の預金を引き出すだけであれば、金融機関の「代理人指名手続き」などで対応できる場合もあるため、まずは口座の規約を確認してみましょう。
専門窓口へ相談し必要な資料を準備する
🏢インターネット上の情報や極端なトラブル事例だけで判断せず、自分たちの状況を客観的に見てくれる窓口に相談することが解決への近道です。
📄本人の希望と財産をメモにまとめ、早めに専門家へ確認しましょう。
- 🏥福祉サービスや日々の生活の不安は、地域包括支援センターや社会福祉協議会に相談する
- 🏛️法定後見の申し立て手順や必要書類は、家庭裁判所の窓口やウェブサイトで確認する
- 🤝任意後見契約や遺言書の作成方法は、公証役場で費用や手続きの流れを確認する
- 💼財産管理の仕組み作り(家族信託など)は、司法書士や弁護士などの専門家に相談する
📋相談に行く際は、本人の財産一覧表、親族の関係図、戸籍などの資料を準備しておくと、どの制度が適しているか具体的な助言を得やすくなります。
成年後見制度は改正される

2026年の法改正と施行時期
📘 成年後見制度については、2026年6月17日に「民法等の一部を改正する法律」が成立し、同年6月24日に公布されました。
この改正には、従来の法定後見制度を大きく見直す内容が含まれています。
- 従来の後見・保佐の制度を廃止する
- 補助制度に一元化する
- 本人に必要な範囲で支援を利用できる制度へ見直す
- 本人の判断能力や支援の必要性に応じた仕組みを整備する
⚠️ ただし、2026年10月現在、成年後見制度の見直しに関する改正規定はまだ施行されていません。
施行日は、2026年6月24日の公布から2年6か月を超えない範囲で、政令により定められることになっています。
したがって、現時点では改正前の制度と、将来施行される新制度を区別して確認する必要があります。
まとめ:成年後見人トラブル

⚠️成年後見人をめぐるトラブルは、制度の厳格な仕組みと家族の希望とのズレ、そして専門家へ支払う継続的な費用負担が主な原因です。
😨また、判断能力が曖昧な時期に不適切な契約を結んでしまい、親族が介入できないまま財産が失われるリスクも存在します。
💡将来の財産管理やトラブルについて不安がある場合は、以下の確認から始めてみましょう。
- 🗣️本人がどのような暮らしを希望し、誰に支援を頼みたいかを家族で共有する
- 📝手元にある預貯金や不動産などの財産と、毎月の生活費・介護費の見込みを整理する
- ⚖️任意後見、法定後見、家族信託など、それぞれの制度のできることと費用を比較する
- 🏛️本人の判断能力がしっかりしているうちに、専門家や公的窓口へ相談する
🔍まずは、裁判所「後見ポータルサイト」などの公式資料で制度の基本を確認し、どのような備えが自分たちの家族に合っているのかを検討してみてください。
